外出支援~轟の滝と堤防道路へ~

(支部ニュース2019年3月号より抜粋)


昨年(2018年)の 11 月17 日に、中村俊明さんと共に轟峡と締め切り堤防に行ってきました。 日本ALS協会長崎県支部がALSの患者の方々に対してこの種の外出支援を行ったことは 恐らく初めての取り組みではないのでしょうか。幸いにして今回は本部からの外出支援の助成金が得られて実行することができました。



中村さんはこの時点で76歳です。長らく日本で有名な船会社の外国航路や定年後は関連会社で乗組員や船長を務めてこられたそうです。 そのため、海に対する思い入れもひとしおで、有明海の締め切り堤防にもご案内しました。



自宅近くにお迎えに行き、階段は無理でも少しは歩くことが出来るとお伺いしました。目的地に向かう途中、何故、轟峡なのかその理由をお伺いしました。 奥様は数年前に亡くなられていますが、奥様が元気である頃、夫婦お揃いで中村さんの趣味である写真撮影に行かれたことのある思いでの地だそうです。 そしてもう行くことが無いと諦めていた折にこのイベントで行くことが出来るとお喜びでした。11 月後半になっているとはいえ、轟峡では紅葉も残っており、 ほとんど人影もなくゆっくりと楽しむことが出来ました。



近くで昼食後、締め切り堤 防に向かいました。この堤防は時々通行止めになることがあるので懸念していましたが、 中ほどの駐車場で一休みしました。締め切り堤防より内側の水面には鴨が数百羽羽を休めて折、駐車場の周辺には花が植えてあり、休憩の場となりました。 その後、自宅近くにまでお送りしましたが、日頃に無い長時間の外出で大変お疲れになったのではないかと思います。


私の思いですが、外出支援は単に楽しんで頂くというだけではなく、このような機会を通して、ALSの患者は決して孤独ではない、 何時でも何処でも支援する仲間がいるということを知って欲しいということです。当然の事ながら、楽しんでいただくことが最優先ですが、 我々としては何よりも無事故であることが前提であり、そのために若干堅苦しったかもしれません。 桜の花が咲く頃、また、何方かの外出をお手伝いできないかな・・・と思っています。


最後に、中村さんに付きっ切りで面倒を見ていた武田芳子さん、全体の進行をしっかり管理された熊脇博治さん、 個人タクシーの運転手で気配りをして最後まで面倒を見ていただいた松下洋一さんに深く感謝します。(木下元洋記)


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